2025年の春、僕ら夫婦が人生でやりたいと思っていたことの一つが叶った。
「船で旅をすること」、そして「船で外国へ行くこと」。それがようやく実現した。
乗ったのは、英国はキュナード社のクルーズ船、クイーンエリザベス号。
このブログは、船内で鉛筆とノートで書いていた日記をもとにしている。旅の記録であり、個人的な手記でもある。
今回の旅には、愛用している富士フイルムのX-T4を持っていた。このカメラで撮った写真も紹介していく。
↑前回の記事は、こちらからお読みください。
2日目 クイーンエリザベス海上航海日
航海二日目。昨日の頭痛に加えて、二人とも気分が悪くなり薬を服用。
なんとか体調を保ちつつ、洋上で休養やアクティビティを楽しんだ。プールでゆっくりボケーっとしていたり、船内を散歩したり、ミュージシャンの演奏を聴いたり、アフタヌーンティでスコーンを食べたり….。（本場英国のスコーンは最高に美味かった）
そうそう、船はあまりに巨大なので、歩き回っているとあっという間に一万歩くらいは歩いていたりする。
それにしても、陸が見えない、四方八方海という景色は生まれて初めてだったし、海は恐ろしく広いということを五感で体感した。それに、一日中陸地にいないという経験も人生初だ。
乗客の方々を見て思うのは、特に欧米人は休息するのがとても上手だなと感じた。
プールでただ寝そべっていたり、本を読んでいたり、手芸をしたり。
対して、日本人乗客はそういったくつろぎ方をする方は多くはなく、あっちこっちに歩き回って用事を見つけてはそれで時間を使う感じ。欧米の人に比べて、「何もしない」ということに耐えられないのかもしれない。
もちろん、優劣をつけるつもりはなくて、「民族によって行動も異なるのだな」ということを目の当たりにした感じだ。（もちろん、例外もたくさんある）
夜からは、初のガライブニング。
船内では、毎日夕方以降、ある「ドレスコード」が設けられていて、強制ではないが乗客はそれに合ったフォーマルスタイルを楽しむことになっている。
日本ではほぼない慣習なのだが、男性はタキシード、女性はイブニングドレスなどを着る。（昨今はそこまで厳格ではなくなったので、ダークスーツの方も少ないはない）
この日のドレスコードは「ブラック＆ホワイト」
自分はタキシードは持っていなかったので、自前のチャコールグレーのダブルのスーツ、妻はお手軽に揃えたというZARAのドレスで夜を楽しんだ。
しかし、中高年の欧米の方のドレススタイルは、めちゃめちゃかっこいい。歴史を遡ってみれば、洋服は「洋の服」ということあって、欧米人のものだから、アジア人よりサマになりやすいのは当然なのだが、とにかく素敵だった。
話は脱線するが、意外にも夜は社交ダンスを楽しむ日本人が多かった。おそらく、社交ダンススクールのイベントとしてクルーズツアーがあるのかもしれない。
ある方々は社交ダンスを楽しんだり、ある方はイングリッシュパブでお酒を楽しんだり、レストランでディナーをしたり、皆思い思いに素敵な夜を楽しんでいた。
日本では決して体験できない、クラシカルな欧米の夜を堪能した日だった。
正装したり、ダンスをしたり、日本にはない欧米の慣習にどっぷり浸かったことは新鮮だったし、それをすることで自分は日本人なのだなと改めて自覚することになりました。
写真作家。元映像製作者、ベースプレイヤー、メンズファッションスタイリストとしての経歴も持つ。2025年、シンガポールをスナップした一作目の写真集「HOME」リリース。
