
2025年の春、僕ら夫婦が人生でやりたいと思っていたことの一つが叶った。
「船で旅をすること」、そして「船で外国へ行くこと」。それがようやく実現した。
乗ったのは、英国はキュナード社のクルーズ船、クイーンエリザベス号。
このブログは、船内で鉛筆とノートで書いていた日記をもとにしている。旅の記録であり、個人的な手記でもある。
今回の旅には、愛用している富士フイルムのX-T4を持っていた。このカメラで撮った写真も紹介していく。
航海6日目 韓国は釜山(プサン)に寄港

朝起きると、窓の外に大陸が。日本と異なるビルなどの景色に感動し、寝巻きのままデッキへ写真を撮りに行った。
遠くにうっすら見える陸地に心が躍る。まるで、新大陸を発見したかのようだった。これだ、この異国の地を海から眺める、このワクワクを体験したかったのだ。
朝食をとり身支度をサッと整え、入国審査を終え釜山港に出た。早速、両替機の前で韓国人の方が親切に方法を教えてくださった、優しい…。
船が手配してくれた無料のリムジンバスを使って、釜山の街中に向かう。バスから見える光景、全てが刺激的でたまらなかった。


釜山の有名な市場、チャガルチ市場を見学したり、街中を散策。
映画祭が行われる街としても有名で、国際的に有名な映画ディレクターの手形が道に展示されていて、我が国の坂本龍一氏のものもありテンションが上がった。
釜山は、都会的なところと、地方の港町というアーバンな部分とカントリーな優しい部分がうまい具合に調和されていてとても居心地がいい。

そして、人が優しい、特におばちゃまが。妻についていった編み物屋さんの方、海鮮カルクッスのお店の方、駅で迷っている時に、聞いてもいないのに気を利かせてくれて電車の乗り方を教えてくれた方…
日本だったら、東京はもちろん、地方都市でもこんなに親切にしてくれるかな?と思うくらい、皆優しかった。(もちろん、日本人も、シャイな人が多いので、こちらから助けを求めれば親切な方が多いけど)
食事の後に立ち寄ったカフェも、さまざまな業務が効率化されていてとても好印象だった。
キャッシュレスの機械があることはもちろん、番号札まで自動で出てくるのには驚いた。我が国も人口が減少していくのは確実で人手もいないのだから、業務効率化の面でも学びたいよなと思った。無理して頑張るんじゃなくて、楽にしていかないと。

午後からは、気になっていた「甘川文化村」へ。
ひたすら坂道を登るという少々険しい道だったが、とても素敵な場所で苦労して来てよかった。どうやらバスが出ていたようなのだが、写真を撮りたい身としてはテクテク歩きながら行った方が楽しいのだよね。

この地域の建物を丸ごとカラフルにするというアイディアも面白いと思うけど、それを地域の合意も得ながら実現するというのは、並大抵のことではないと思う。日本で今、ここまで地域一丸となって村おこしが果たしてできるだろうか。

ここにくることで、この村の成り立ち、朝鮮戦争の時に避難した方々が作った村という歴史を知ることもできたし、星の王子様やBTSのメンバーの壁画(BTSの一部のメンバーが釜山出身)なども交えて色々な世代を呼びこめていると思うので、観光的にも見事だなと感じた。

坂道を上がり下がりして疲れていたが、その後はロッテ百貨店に行きショッピングセンターを楽しんだ。東、東南アジアのショッピングセンターや百貨店は大好きで、ベトナム、台湾、シンガポールに行った際も、必ずチェックしていた(笑)現地のスーパーに行って、食材を見るのも楽しいんだよね。
夕方には体力が限界を迎え、船に戻った。
釜山に完全に惚れた、一日ではとても足りない、またゆっくり来ようと心に決めた。
韓国は、日本と近く「近いしきっと文化も似ているだろうから、急いで訪れる必要はないかな」と勝手に思っていたが、とんでもない。もっと早く行けばよかったことを後悔した。
また行くで、釜山、そして韓国!

写真作家。元映像製作者、ベースプレイヤー、メンズファッションスタイリストとしての経歴も持つ。2025年、シンガポールをスナップした一作目の写真集「HOME」リリース。