映像制作の仕事を受けていた時代は、もっぱらズームレンズ派でした。なぜなら、ワンオペ、もしくはアシスタントの方一人にお願いできるくらいの規模だったので、ズームレンズが便利だったからです。
それに、写真撮影でも、記録撮影寄りのものや遠くにあるようなものを撮るには、やはりズームレンズが助かります。
それでも、自分はここ一、二年は単焦点レンズのみを使うようになりました。
単焦点レンズが楽しい理由
ズームができない面倒臭さもありつつも、単焦点レンズしか使わないという人は一定数いますね。
自分は、単焦点レンズを使って足を使って撮影することが楽しいということ、軽量コンパクトなものが多いということ、それに抜けがいい画質という三点が、単焦点を愛用する理由です。
単焦点レンズで、自分が動いて距離を調整することの楽しさ
ズームレンズも便利なのですが、自分の場合は「見ている景色を自分が動かずに、ズームで調整しながら撮る」ということよりも、「自分が動きながら撮りたい被写体との距離をはかっていく」ことに楽しさを見出したのだと思います。(もちろん、鳥や飛行機や車、スポーツなどはそうもいきませんが…)
自分の足で寄り引きすることが、撮影への没入感を高めてくれるのだと自分は感じました。
もちろん単焦点レンズだと、これ以上引けないシーンや寄れないシーンもありますが、それはそれで潔く「仕方ないか」と諦めるスタンスをとっています(笑)
軽量コンパクトなものも多い
自分の場合は、できればレンズ込みでカメラの重量は重くても700グラム台以内に収めたいと考えています(かなりの軽量でないとダメなタイプです)
できればレンズの長さも短い方がバランスもいいので、そうなってくるとズームレンズはどうしても候補には入りにくくなってくるのです。
重たいカメラとレンズでは、外に持ち出すのも億劫になってしまいがちです。
重いカメラを本気の撮影用で、気軽に撮る時はコンデジを、と使い分けている方もいます。ただ、自分の場合は、使い分けが上手くできるほど器用ではないのでその道は選びませんでした。
単焦点レンズの抜けの良い画質
抜けが良いというのは、少々言葉で説明がしにくいところですが、乱暴に言ってしまうと画質がいいということ(笑)音楽の世界、特に楽器をやる人も、「あの音はとても抜けが良いね」なんて言いますね。
要は、写真の近景から遠景までがゴチャゴチャせずにすっきりと見ることができる、ということなのだと理解しています。(楽器の音で例えるなら、他の楽器の音に埋もれずにきちんと聴こえてくるのが抜けが良い)
最近のズームレンズも高性能になったので、十分に画質の良いものもたくさんありますが、先述した事項を踏まえると、自分は単焦点レンズが第一候補になってきます。
自分が何を撮りたいか、どんなスタイルなのかで機材を決めていく
今回は自分の場合として、単焦点レンズの良さをご紹介しましたが、あくまでも正誤はなく答えは人それぞれです。単焦点でもズームでも、どちらでもいい。
自分が撮影するにおいてのスタンスや、撮りたいものを明確にすることで、どんな機材を選べばよいかが定まってくるのだと思います。
過去の自分は、そこを内省せずにYouTubeやレビューブログで「これは良いレンズです」と紹介されていたものを買っていた時期もありまして。それで、結局自分にマッチせず売却してしまったりすることも多かった。
もちろん、買い物も失敗しないと上手になりませんから失敗上等なのですが、内省することも大事だなと改めて感じます。(最終的には、買って使ってみないと何もわからないので)
どんな機材を使うにしても、自分の気分が高まるものを使って写真を楽しんでいきたいですね。
写真作家。元映像製作者、ベースプレイヤー、メンズファッションスタイリストとしての経歴も持つ。現在、写真作家として一作目の写真集を製作中。