ひょんなことから買ってみた中華レンズ、銘匠光学 TTArtisan 35mm f/1.4 C。
カメラのレンズというと、上を見上げればカメラ本体や車が購入できそうなものもあるなか、驚異の1万円アンダー。
まあ、お遊びと言いますかそれなりかなと思っていましたが、思いのほかハマってしまったので(笑)、本日はレビューしていきたいと思います。
1万円以下とは思えない見た目のレンズ
今回購入してみたTTArtisan 35mm f/1.4 C。(富士フイルム仕様)
レンズの箱って、国内メーカーは割と電化製品っぽいパッケージのものが多いけど、こちらは腕時計が入っていそうな仕様。
安価なレンズにも関わらず、見せ方きちんとしてるなー。
ラ○カっぽいと言ってしまえばそれまでだけど、金属外装にデザインの良さ、ちゃんとしています。
色はブラックとシルバーの2色展開ですが、今回はブラックボディにシルバーレンズという組み合わせがしたくてシルバーをチョイスしました。金属だと高級感もきちんとあります。
愛用の富士フイルムX-T20に装着。コンパクトでいいですわ。
小型ボディのカメラに組み合わせれば持ち運びもしやすいし、写真を撮る機会も増えそうです。
これはマニュアルフォーカスのレンズなので、フォーカスリングを回しながらピントを合わせるんだけど、昔は「マニュアルなんてメンドクサイわ」なんて思っていました。
でも、このレンズはピントの山を掴みやすくてとても快適!ピントをじっくり自分で合わせる楽しみを徐々に見出せるようになってきました。
最新機材の爆速オートフォーカスもそれはそれで快適ですが、ゆっくりじっくりピントを合わせるのも実はこんなに楽しかったなんて…。
作例(with FUJI FILM X-T20)
さて、TTArtisan 35mm f/1.4 C(富士フイルム仕様)の作例をご紹介していきます。
X-T20を使用、rawで撮影して軽くカメラ内現像した写真です。(画像はブログ用に圧縮しています)
フイルムシミュレーションは、ほぼプロビアだったかな?
F1,4と明るいレンズなので、なかなかボケます。
F値の設定もあるかもしれないけど、決してそんなに甘くない描写のレンズな気もします。
白いのれんが、なかなか立体感のある雰囲気で撮影できました。
マニュアルフォーカスで、ピントをネクタイのあたりにするのか、手前のポケットチーフにするのかなど、フォーカスリングを回しながらじっくり考える。
この楽しさは、爆速オートフォーカスの世界では見逃しがちなんじゃないかと思います。不便なんだけど、不便ゆえに新たな気づきがある、そんな感じがします。
レンズのお話ではないけど、富士フイルムのカメラってスーツや時計とか、クラシカルテイストな被写体にも合うなあって感じました。
ボケの感じは、好みがあるかもしれないけどけっこうボケますね。
じっくりゆっくり被写体と向き合えるマニュアルフォーカスレンズ
今回は、TTArtisan 35mm f/1.4 Cをご紹介しました。
このプライスにして、画質は好みだし、レンズの質感やデザインもよく、マニュアルフォーカスの楽しさも提供してくれる。
僕は大満足でした。もう少し価格上げてもいいんじゃないのって(笑)
何より、オートフォーカスでピントを機械任せにできる今の時代。
被写体と向き合って、じっくりゆっくりどこにピントを持っていくのかを考える作業がこんなに楽しいなんて思いもしませんでした。
この体験をさせてくれただけでも個人的には満足です。
バシバシ量を撮っていきたい方、動きの激しいものを撮りたい方、オートフォーカスがないと困る方には不向きだと思いますが、ゆっくりじっくり自分のペースで楽しみたい方にはとてもいいレンズなんじゃないかなと。
プライス的にも、合わなかったとしてもそこまでお財布も痛みませんし。
ただ、ここを入り口にオールドレンズ沼なんてジャンルにハマっていく恐れもありますが(笑)
そうそう、このレンズはカメラ内の設定で「レンズなしレリーズ」という設定をオンにしておかないとシャッターが押せない仕様なので、お忘れなく。
それにしばらく気づかず、「アレー、コレ不良品かよ!」と右往左往していました(笑)
マニュアルレンズ入門としても、とてもいい選択だと思います。
写真作家。元映像製作者、ベースプレイヤー、メンズファッションスタイリストとしての経歴も持つ。現在、写真作家として一作目の写真集を製作中。