仕事で映像制作をする時以外は、大きく重たい機材を持ち出すのが苦手な筆者。
最近は、いかに小さな機材で写真や動画の撮影を楽しめるか、ということでカメラやレンズを模索しています。
昔は、キヤノンの一眼にシグマの重たくて大きいレンズをつけて外出していたりしたのですが、もう最近はギブアップしていまして(汗)
今回は、「xc15-45mmf3.5-5.6 ois pz」という富士フイルムカメラの「キットレンズ」として使われることが多いレンズを使ってみました。
結論としては、
「気軽に、肩肘張らずにスナップを楽しむにはいいレンズ」
ということで、レビューしていきたいと思います。
見た目はチープな雰囲気だけど…
こうやって、それっぽく撮影すれば高そうに見えなくもないのですが、外装はプラスチック?で正直チープな雰囲気です。
所有感という意味ではイマイチ。
でも、代わりに軽量化できているのでそこはトレードオフですね。
自然光を入れながら撮影してコントラストを効かせれば、金属っぽく見えるけど実際はもう少しチープです(2回目笑)
それでも、小型のカメラと組み合わせた時のルックスはまずまずカッコいいなあと。
写真の本質からは外れるかもしれませんが、自分にとってカメラのルックスがかっこいいということは非常に重要なのです。
スイッチを入れると、ビニョーンとレンズがくり出してきます。
ズーム音が「ウイーン」ってなります。
電子ズーム仕様で手でズームするのに比べてスローですし、焦点距離も表示されない仕様で、イライラする方もいるかもしれません。
でも、気軽にのんびり日常撮影を楽しむにはいいじゃないですかとも感じます。
もっと機敏に動くカメラや機材も持っていますが、こういう機材を使うと、
「急がなくていいんだよ、ゆっくりじっくり撮影していこー」
なんてことを言われているような気がします。
さてさて、肝心の映りはどんなものなんでしょうか。
写真・動画の切り出し作例 with X-T20
今回は、愛用中の富士フイルムX-T20と組み合わせて撮影してきました。
・jpeg撮って出しか、カメラ内raw現像で少しだけ編集したもの
・絞りは、開放、もしくはF8くらいで撮影
・フィルムシミュレーションは、プロビアが多め
こんな条件で撮っています。
スタジアムを訪れた時の一枚。花を前ボケにして野球選手の像を撮ってみました。
まあ、フツーに色がきれい、さすがは富士フイルム。
ダークグリーンの鉄筋萌えということで撮影(笑)
これは広角端で撮っていまして、普段50mm(フジでいう35mm前後)の単焦点を好んでいる身としては、広く撮れるズームのありがたみを感じました。
しかも、めっちゃコンパクトなズームだから、単焦点1本にコレの計2本持っていってもそうかさばりません。
先ほどの野球選手像の足。
F値があまり明るくないので、このくらいの位置だとボケはそう多くありません。
そういった意味でも、ボカしたい用としてもう一本自分のよく使う焦点距離の単焦点を持っておくと、幅広く対応できそう。
そうそう、このレンズは広角端で割と寄れるので、こんな風に近づいて被写体を撮影することも可能です。
絞り開放(F3.5)でここまで寄ると、ようやくそこそこボケますね。
場面は変わりまして、この写真もxc15-45mmで撮りました。
工夫次第で、ポートレートも撮れないこともないかもしれません。
ここからは、ムービーの切り出しです。
X-T3のフィルムシミュレーション「エテルナ」で動画撮影。キットレンズだけど、光を上手いこと使えればこれだけ雰囲気が出る。
こちらも同条件で動画の切り出し。なんだか、映画のような雰囲気が出ています。
コレ、キットレンズですよ(笑)
ちなみに、手振れ補正がレンズに備わっているので、手振れ補正のついていない機種で動画撮影するのにもいいと思います。ただ、弱めの手振れ補正だから、きちんと脇をしめて撮らないとブレますのでご注意を。
気軽に使うには丁度いい!富士フィルムの必要十分レンズでした
今回は、富士フイルムのキットレンズとしても使われている「xc15-45mmf3.5-5.6 ois pz」をご紹介しました。
欠点を挙げようと思えばいくらでもあるでしょう。ただ、このレンズに高額レンズのような性能を求めるのも違うなと思うし、何より
肩ひじ張らずに気軽にのんびり撮影できる
ということが、このレンズの最大の価値だと僕は感じています。
どうしても、良い機材を持ち出すと「よし、どうにかいい作品を撮らなきゃ…」なんて気負いが生まれることもありますし、時にはそれがしんどいこともある。
だから、このレンズのおかげでのんびりゆっくりじっくり撮影が楽しめるんじゃないかって。
それに、描写も全然悪くないので。
とは言っても、バキバキの高画質で決め打ちしたいときもあると思うので、このレンズにプラス一本好きな単焦点レンズを持っておくと、そんなシチュエーションにも対応できるのではないでしょうか。
肩ひじ張らないのんびり撮影に素敵なレンズだと思いました。
写真作家。元映像製作者、ベースプレイヤー、メンズファッションスタイリストとしての経歴も持つ。現在、写真作家として一作目の写真集を製作中。