
スマホが登場以来、カメラが売れなくなった。
そんな記事をよく見かけますが、個人的には写真を撮る人自体は増えていて、撮影ツールが多様になったというのが正しいのかもしれません。(とは言っても、ほぼスマホ中心だと思いますが)
相対的にカメラが売れなくなった今でも、最近好調なのでは?と思うのが「富士フイルム」のカメラです。
【参考資料】BCNランキング 約半年ぶりの前年比超え、ミラーレス一眼の最新販売動向
https://www.bcnretail.com/market/detail/20210413_221215.html
売り上げのデータなどをみると、もちろんソニーやキヤノンなどには及んでいませんが、中価格帯のカメラを中心にかなり健闘していること。
そして、これは僕の肌感覚ですが、ここ一年くらい観光地やイベントなどで富士フイルムのカメラをぶら下げている方を以前よりも見かけるようになりました。
そして、これを書いている自分も富士フイルムの愛用者です。(ちなみに僕はLUMIXとFUJIの2メーカーをメインにしています)
今日は、筆者の私見たっぷりですが(汗)、なぜ最近富士フイルムのカメラを愛用する方が増えているのかについて、個人的な意見を書いてみます。
こんな見方もあるんだなーくらいに読んでいただけたら幸いです。
①フイルムシミュレーションを使った撮影体験が楽しくて仕方ない

色々なメーカーのカメラを使ってきましたが、まず富士フイルムのカメラは「撮って出しで十分楽しめるカメラ」だと感じています。
写真撮影のキャリアが長い方であれば、「RAWデータ」で撮影して後から自分の好みに編集していくという方が多いでしょう。
もちろん、どういった世界観を出したいか次第ですが、フジのカメラはJPEG撮って出しで十分に「できあがった写真」が撮れるなあと。
色々な方が言っているように、「フィルムシミュレーション」というカラーフィルターがとても秀逸なので、撮りたい被写体の雰囲気に合わせて、絵作りを変えて撮れる。
そんでもって、撮影した瞬間からモニターに映し出されるきれいな絵。
これは特に、カメラで写真を撮り始めたくらいの方にも、とても楽しい経験なんじゃないかなーって。
シャッターを押して、「わー、きれいに撮れた!」という撮影体験はめちゃめちゃ大事なことだと思います。
この感覚を体験してもらわないと、せっかくスマホじゃなくてカメラを持つ意味も少なくなってしまうから。
もちろん、その撮影体験が他メーカーではできないかというと、そんなことはありません。
ただ、富士フイルムは撮影する楽しさ、カメラを身につける楽しさをとても大事にしているブランドなんだなと個人的には強く感じています。
↑写真のみならず、動画もフィルムシミュレーションを使ってきれいに撮影できて楽しいのです。(作例あり)
②身につけてかっこいい富士フイルムのカメラ

この一年くらいで観光地やイベントごとで、富士フイルムのカメラをぶら下げている方を割と見かけるようになりました。
で、具体的にどんな方が持っていたかというと…
カメラのみならずファッションにも興味がある方(ぱっと見おしゃれな人)、食べ物や旅やインテリアなど、一つ一つのことにこだわりがありそうな方(僕の主観ですが)でした。
そういった方々は、経験上
「カメラを持った自分がどう見えているのか」
「スペック以外にも、身につけてワクワクするかどうか」
ということも大事にします。(自分も割とその傾向があります)
ゆえに、昔のカメラの意匠を大事にしたレトロなデザインのフジのカメラがしっくりくる方が多いのではと感じています。

ちなみに、富士フイルムのデザインは女性からも「カワイイ」と評判がいいです。
ちなみに、昔キヤノンのカメラとフジのカメラを妻に見せて、「どっちが持ちたい?」と聞いたら、「圧倒的にフジ」という答えが返ってきました。(僕はキヤノンの見た目も好きですが、おしゃれ感で言えばフジだと思います)
女性はおしゃれでカワイイものを持ちたいという願望が男性に比べて強い方が多いです。
男性でもファッションやアート系の趣向を持っている方は、カメラのスペック以外にも「見た目やブランドの世界観」を大事にしている方も少なくありません。
富士フイルムのカメラは、そういったこだわりを持っている方々の心にも響いているのではないかとも考えています。
③スペックも高いけど、ある意味スペック競争から抜けたカメラ

カメラというと、スペック競争で各メーカー切磋琢磨している感じがしますが、ある意味で富士フイルムは「スペック競争から下りたカメラ」なのではないかと感じます。
もちろん、必要十分なスペックは備えていると思うんですが、数値的なところでは他ブランドに比べて派手さはないかなと。
ただ、
富士フイルムを愛するユーザーが、そもそもスペックを最優先にしてカメラを選んでいないような気がするのです。
(もちろん、プロとアマでも事情は異なるので一概にはそう言えませんが)

僕は、異業種から動画や写真を撮る世界に入ってまだまだ歴は浅いですが、カメラ業界のスペック至上主義のようなところには若干の違和感を覚えています。いや、もちろんスペックも大事です。動き回る野鳥やスポーツを撮るのに、秒間3連写しかできなかったら話になりませんから(笑)
ただ、ある意味では写真も動画も2021年現在、もう既に十分なくらいハイスペックで撮影できると思うのです。
(なんなら、5、6年くらい前のカメラでも、特に写真は十分きれいに撮影できるなって)
スペック競争が限界を迎えた時に、富士フイルムは「機能やスペック以外」でユーザーに訴求できるメーカーとして最有力なんじゃないかって思っています。
とはいえ、X-T3やX-T4あたりは、動画なんか10bitのLog撮影やHLG撮影もできるし、4K60Pもイケるし、なんだかんだスペックも申し分ないのですが…。(富士のカメラで動画の受諾撮影、たまにしています)
日々を記録する楽しさ、喜びをくれる富士フイルムのカメラ

今回は、フイルムシミュレーションをきっかけに、富士フイルムのカメラはなぜ最近支持されているのかについて、自分なりの意見を書いてみました。
僭越ながら、僕はカメラを通して写真や動画を撮影する楽しさが広がればいいなと感じています。
もちろん、どのメーカーのカメラでもそれは楽しめますから、ご自身にとってのベストなカメラを見つけられたら最高ですね。
スマホも気軽だけど、やっぱりカメラで撮影するのが楽しいな!

写真作家。元映像製作者、ベースプレイヤー、メンズファッションスタイリストとしての経歴も持つ。現在、写真作家として一作目の写真集を製作中。